2012年2月11日土曜日

スピーカー修理

僕の夢は、ふかふかのソファーベットに腰掛けて、コーヒーを飲みながら好きな音楽を大音量できくことです。(なんと、些細な夢なのでしょうか、、、)

ただ、コーヒーとソファーベット(ふかふかではないですが)ぐらいは何とかなるのですが、マンション暮らしのため、大きい音で音楽を聴くことも出来ず、このささやかな幸せも享受出来ないでいます。

さらに、家にある 20 年以上前の古いスピーカー ( JBL 4408 ) のエッジ(音を出す丸い紙の周りにある、メロンパンの縁みたいなものです。)がぼろぼろにい痛んで、まともな音が出ずあきらめていました。(ウレタンのエッジはそんなもんらしいです。)


ところが、学生時代のアルバイト仲間がスピーカーのエッジがネットで手に入ることを教えてくれました。早速調べてみると、そう高い値段でもなく純正品が手に入りそうでしたので、自分で修理することにしました。以前、音響屋でアルバイトでしていたということもあり、こういう作業は大好きでしたので、子供の「お父さん遊ぼうよー」との声にも耳を貸さず作業を開始しました。

まず、スピーカユニットを止めているネジを外し、箱からスピーカーユニットを外します。外してみると箱の中はすごく単純な構造で、「まあ、こんなもんなんやろうな」とちょっとがっかりしながら、ユニットに残っているぼろぼろの古いウレタンのエッジを、カッターや歯ブラシで紙の部分から丁寧に剥がしていきました。きれいに剥がれたら新しいエッジを専用のボンドで貼り付けるだけです。エッジはリング状の形態ですので、ユニットの中心から均等に貼り付けるには少し繊細さがいる作業です。作業は案外スムーズにすすみましたが、うまいこと出来た!と喜んだその直後に、ボンドがユニットにぽたりとたれてしまい「あーーっ」と大声を出してしまいました。しばらく落ち込んだ後、ボンドが乾くのを待って、ユニットを箱に戻しました。

スピーカーをアンプにつなぎ、この胸の高鳴りはなんなんだと思いながら音を聞いてみると、「うーーーん」以前の音がよみがえる事はありませんでしたが、まあ何とかそこそこの音が鳴りました。

何ともいえない満足感に浸りながら、家族に「どうや、ええ音になったやろう!ものは大切にするもんや!」などと自信満々に訴えましたが、「違いなんかわからん。それより音、小さくしてよ」 と、家族の反応は冷たく、理解は得られませんでした。心の中で「お父さんは頑張ったやないか!」と叫ぶのが精一杯でした。気をとり直して「そうや、コーヒーや、コーヒーを飲まないと」と思い、コーヒーを入れようとすると、コーヒー豆が、、、、ない。

それでも最高に盛り上がって、直ったスピーカーのエッジをさわって喜んでいると、子供たちは「なにやってんの?」という顔で気味悪そうに見ておりました。 残念ながら、この幸せを家族で分かち合うことは出来ませんでしたが、僕にとっては最もうれしい出来事の一つでした。

今日の一言: 父親の趣味を家族が温かく見守ってくれるなんていうことは、100% ありえない、、、